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LPWAとは?IoT時代に注目を集める「長距離・低消費電力」の無線通信技術を紹介

2020年2月26日

IoTには、Wi-FiやBluetoothのような無線規格が多く利用されてきましたが、近年では「LPWA」という無線通信技術が注目を集めています。IoTに最適と言われる「LPWA」はいったいどのようなモノなのか?今回は、LPWAの種類や特徴について紹介します。

LPWAとは?

長距離・低消費電力を実現する通信規格

LPWA(Low Power Wide Area) は、その名の通り「低消費電力かつ長距離での無線通信」を実現する無線技術の総称です。私達が普段よく使う、Wi-Fiは、2.4GHz帯や5GHz帯の周波数の電波を用いています。一般的には周波数が高くなるほど無線のデータを高速化できますが、その分通信距離が短くなります。対して、近年急速に注目を集めているLPWAの多くは、LoRaWANやSigfoxのような920MHz帯の電波を使った技術です。Wi-Fiよりも低い周波数を利用することによって、長距離まで届く通信を可能としています。IoTは、従来のインターネット通信とは異なり、高速かつ高頻度にデータ通信が行われるため、長時間稼働できるように低消費電力性が求められます。LPWAはIoTデバイスで利用されることを想定した仕様であるため、データ通信速度を抑える代わりに低消費電力性を実現しています。LPWAは、IoTの通信方式の進化を支える手段として期待が持たれている技術なのです。

LPWAが注目される理由

LPWAが注目されているのは、IoT普及の大きな壁となっていた電源・コスト・エリアカバーの課題を解消できるためです。これまでIoTの普及拡大を阻んできたのが、電源とコストの問題でした。従来のIoTデバイスでは、携帯電話網を使うため通信コストも高く、消費電力も大きくなるため、電源が確保できる且つ、費用対効果の見込める一定のケースでしか活用されていませんでした。また、山間部や地下などの通信できないエリアでは利用できませんでした。こういった課題を解決するために登場したのがLPWAです。LPWAの強みは、少ない電気消費で長距離のデータ通信が行うことができる点にあります。私たちが普段利用しているWi-Fiや携帯回線は、人が使うことを前提にしており、電気消費の大きい高速大容量化を追求しています。一方IoTの世界では、低速低容量ながらも多数のデバイスに接続する必要があり、電源が確保できない場所での利用も多くなることから、省電力、低コスト、広範囲なエリアカバーが求められています。これらの要件を満たすLPWAの登場により、今まで適応できなかった様々なケースでIoT化が加速するとされており、注目を集めているのです。

LPWAの特徴

広域・長距離通信

広域・長距離通信は、LPWA最大の特徴と言えます。Wi-Fiで約100〜300m、Bluetoothは約10〜30mといわれていますが、LPWAは、通信規格や通信環境により様々ではありますが、数km〜数十kmの広範囲伝送を実現できるとされています。

低消費電力

通信頻度などの条件によりますが、LPWAはボタン電池1つで、数年単位の稼働も可能なほど低消費電力です。
そのため、これまで常時給電が難しく、データの送信先となる基地局までの距離も遠いような悪条件下の屋外でも活用できるようになります。

低コスト

LPWAは、圧倒的に低コストで利用できるのも大きな特徴の1つです。従来のLTE回線は1回線あたり、月数百円〜数千円の通信コストが掛かりますが、例えばSigfoxの場合、端末1台あたり年額100円〜利用可能です。

LPWAの種類

LPWAにはいくつかの種類があり、大きくライセンスが必要なライセンス系LPWA(通信キャリアの無線方式)と、ラインセンス不要のアンライセンス系LPWA(特定小電力無線)の通信方式に分けられます。

ライセンス系LPWAとは?

ライセンス系LPWAとは、大手通信事業者(キャリア)の運営するセルラーネットワークを用いたLPWA規格です。移動通信規格の標準化団体である3GPPによって策定された規格で、既存の携帯電話で運用されている免許の必要な周波数を使用しています。従って、ライセンス系LPWAは従来の携帯電話のように、総務省から包括免許を取得した大手通信キャリアによってサービスが提供されます。
キャリアの基地局を用いた通信網であるため、アンライセンス系LPWAと比べてカバレッジが広く、高品質なサービスになりますが、運用コストは高くなります。

ライセンス系LPWAの例

・NB-IoT
・LTE-M

アンライセンス系LPWAとは?

アンライセンス系LPWAは特定小電力無線とも呼ばれ、無線局免許が不要で利用できる規格です。LoRa、Sigfox、ELTRES、ZETAなど様々な規格があり、それぞれ通信の仕様は異なりますが、どの規格も長距離通信に適したサブギガヘルツ帯(900MHz帯)の周波数を使用しています。ライセンス系LPWAと比べるとコスト面では優れますが、エリアによっては利用できないケースもあるなど、サービス提供事業者によって品質が左右されます。

アンライセンス系LPWAの例

・ SIGFOX(シグフォックス)
・ ELTRES(エルトレス)
・LoRa/LoRaWAN(ローラ/ローラワン)
・ZETA(ゼタ)

LPWAのこれから

LPWAの概要を紹介していきましたが、いかがだったでしょうか。長距離・低消費電力の特徴を持つLPWAはアイディア次第で様々な用途に活用できそうです。
LPWAに対応した機器の台数は急速に拡大しています。欧米や欧州などでは既に普及が進んでおり、世界規模でみると2021年には3.8億台に達し、LPWAを使った接続の売上高は約10億ドルと、いずれも現在の10倍以上の規模になると期待されています。LPWAが新たな通信インフラとして普及していくことは間違いありません。次世代型5Gなどの超高速ネットワークとLPWAの低速なネットワークを利用目的や用途によって使い分けることで、ワイヤレスの通信ニーズに多様に対応できる時代が見込まれます。

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